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やっぱり小さくなくちゃ(笑)。
by today216
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大きくなること

最近のポルシェの車種は結構増えてきてます。私がポルシェに興味を持ったこの2,3年に限ってもケイマンやカイエンが出てきたわけですから911、ケイマン、ボクスター、カイエンと4車種になっています。来年あたりからパラメーラが加わると5車種、さらにそれぞれにバリエーションがあるわけですからかなりの種類の車を作ってるんですね。販売台数も10万台を超えるとか。
これだけ車種が増えてバリエーションがあると心配になってくるのがちゃんと設計できるの?、製造は? ということです。
私が身を置いているコンピュータの世界で言うと人が増えるとろくなことがありません。優秀な技術者がたくさんいるとお互いの意見がぶつかりあって足して2で割る、ということが良く起こるのです。車の話で言うとAさんという人はちゃんと曲がれるように車体をガチガチに設計しようとしますしBさんは乗り心地を良くするために振動を吸収するように作ろうとします。さて、AさんとBさんの設計を足して2で割ると、どんな車ができるでしょうか(笑)。
Aさんの主張もBさんの言うことも間違いでは無いし単にそれぞれの生きてきた世界観みたいなものをぶつけ合っているだけですね。間違いでは無いのでお互い譲らないし逆にお互い譲ってしまうかもしれません。もっとも上の例であれば車の方向性が違うのでお互い違う車を作ればいいわけですが(笑)、より細かい話になるとこれと同じようなことが積み重なってきます。人数が増えれば増えるほど足して2で割るか最大公約数をとるかすると、その答えは平均化していくか、小さな値になっていきます。これが世界のトヨタの実態なんですね(笑)。

外から見ていると大きいほど良いものが作れるような気がしますがこれは反対です。パソコンの世界ではウィンドウズとマックのようなものです。少数のカリスマ的な人がコントロールする世界では、そのカリスマが優秀であればとても良いものが出来ます。でもみんなが同じだけ主張する権利のある世界でモノを作ると平均的なものか、面白くないものしか出来ません。ただ、その世界で作ったものはたくさんの人の手が入っていますから良く壊れるとか、変な所に欠陥があるとか、そういったことは無くなります。もう一つ、メンテナンスというかアフターサービスが良くなります。たくさんの人がかかわっている(みんな自分が設計した車だと思う)のでそれを知っている、面倒を見る人が多くなるからです。

日本車があるいはウィンドウズが高い評価を得ているのはまさにその点だと思いませんか?

大きくなることにはもう一つ問題があります。優秀な技術者というのはそんなに多く居ない、ということです。ドイツで言うとせいぜい1000人くらいでは無いでしょうか。そのうちポルシェで働いているのは、10人くらいでしょうか。ベンツもBMWもあるし、鉄鋼業界や化学、土木、航空機、その他いろいろな業種がありますから。また先に書いたように一緒に働いて良いものが作れるのはせいぜい10人くらいの技術者集団だと思います。この10人がカイエンを設計したりパラメーラを設計したりすればいいのですが(そうすると彼らはとんでもなく忙しいでしょうが)規模が大きくなると10人を分割してそれに他の人を足そうとします。そうなるとどうなるか。せいぜい10人くらいの優秀な技術者しかいない所にそれほど優秀では無い技術者が加わることになります。これらの意見を足して2で割ると何が出来ると思いますか(笑)。
もっとも、ポルシェが創業時のようにカリスマ的な技術者を抱えていれば安心です。カリスマが居れば足して2で割るようなことにはなりませんから。
マイクロソフトにもビルゲイツがいるじゃん、って言う方、それは間違いです。彼はカリスマではありますが目指したものが日本的な経営でした(笑)。

さて、皆さん998(988)に期待しましょう(爆)。
by today216 | 2007-06-19 23:13 | ポルシェ
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