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ポルシェの生涯
明けましておめでとう御座います。
昨年はこんな本を読んでました。今更伝記本を読むような歳ではないのですが、有る事が知りたくて読んでしまいました。 この本は「その時代とクルマ」という副題がついてます。実は中身はこの副題とかなり違ってたんですが、ポルシェの時代のクルマがどのように発達していったのかもっと書くとエンジンが人の前に有るクルマがポルシェの時代に有ったのかを知りたくて読んだ次第です。 以下、面倒なのでエンジンが人の前に有るクルマをF車、後に有るクルマをR車と書く事にします こんなことがどうして知りたかったかというと、ポルシェがVWを設計した時にF車にする技術が無くて仕方なくR車にしたのか、それともこれが最適だと思ってこうしたのか、を知りたかったんです。 読んで見るとVW開発の前はF車であった事がわかります。 バランスから行くとどう考えても前と後が逆だろうと思えるクルマです。この時代には設計するすべてのクルマをR車にしている感じです。ちなみにこのクルマ、V16の6リッターエンジン、最高速は300キロ以上。現在のクルマとほとんど変わらないですね。 そして、VW開発はそれ以前のクルマの開発に比べてえらく時間がかかってます。それまでのクルマはだいたい1年くらいで設計しているのにVWは設計に4年です。かのポルシェもかなりてこずったそうです。同時期にダイムラーなども開発を名乗り出てますがかなり早い段階で開発をあきらめてます。それくらいR車というのは開発が困難なクルマのようです。 また、開発した後のテストも凄いです。SS親衛隊が主に2回、2年に分けてテストしてるのですが1回目は3台で延べ15万キロ、2回目が30台で延べ241万キロ、です。997が150万キロのテストをしていると謳っているのもさすがにゲルマン人だなぁと感心します。 やらなければならない事をきっちりやっている感じですね。これほど開発に時間をかけたVWだったからこそこの技術を基礎にしてその後の356や911が開発できたという事でしょう。 いろいろ考えて今のところ、私はR車がスポーツカーにとって理想的なエンジン配置であると思ってます。ポルシェのような有る意味天才的な人が最終的にR車を採用したという事は、やはりこれは間違っていないと思ってます。ただ、クルマというのはスポーツカーもあればタクシーやバス、トラックも有るわけで作りやすさ、後座席に人を乗せる場合の事も考慮するとトヨタやGM、ベンツがF車を採用するのは有る意味当然です。 でも、スポーツカーに限定するとやはりR車が物理的に優れているという事でしょう。また、これがポルシェフリークがポルシェを好きになる理由なんでしょうね。 ちなみに、この本、タイトルと違って中身はどちらかというとヒトラーとポルシェの関係を書いた本です。当時のヒトラーがアウトバーンやVWを何故作ったか、と言うことがわかって(戦争前の彼我の違いがとても大きい)とても面白いのですがことポルシェの事を知ろうという方にはあまりお勧めできません(笑)。 また、ヒトラーが仏国を占領した時、ピエール・プジョーをドイツにつれて帰ろうとしたのをポルシェが止めた、にもかかわらず戦後、ポルシェが仏国で逮捕された時、件のピエール・プジョーは病気を理由にポルシェをかばわなかったそうです。その逮捕が原因となってポルシェの寿命が縮まるのですからプジョーとポルシェとはかなり怨恨が有りそうです。そういえば901が911になったのもプジョーの横やりでしたね(笑)。
by today216
| 2008-01-01 02:20
| ポルシェ
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